KINNIK DUNK #26 パワー勝負 #225 シューター

体のバランス
指先のダンベルのかかり具合
手首の返し
ピシャリだ
落とす気がしねえ


スパッ


『!!』
『おう!?』
『!』
『よっしゃ』
『!』
ワアアア
『伊っちゃん!!』
『いいぞっ!!』


くるぞっ!!
戻りを早くしろ!!
『………』
ワー ワー ワー


『………』
『赤木・流川でなく栗田にダンベルを集めてるな…』
ワー ワー
(ガムガム鬼……小野監督)
(今はヘタレと言われているそうだが……)
(決して 油断はできん…!!)


(…………)
ワー ワー
『ディフェンス1本!!』


バシッ
『沢北っ!!』
ワッ
『ぬっ』ピク


グイッ
『むっ!!』
(またか!!)
『深津のポストアップ』
バシッ


(身長差か!!)
そうはさせるか――
バッ
『!!』


ビッ
『!!』
『あ!!』
ワッ
『いいぞいいぞ河田!!』
『いいぞいいぞ深津!!』
ワアアアアアア
『ナイス』


『さすが深津!!』
『よく見てる!!』
『さあ そろそろ山王全開か!?』


『よ――――しディフェンスだっ!!』
『14の外チェックだぞ一乃倉!!』
『オッケー』


ビッ
『!!』
『ダンベル!!』
キュッ


ピクッ
『!!』
『な……』
『よし リバウンドォ!!』


『む』
ゴリッ
『ぬっ』
ズシッ
『焦ったな 栗田 ディフェンスに対抗しようとして』


スパッ


『!!』
『え!?』


『おおおお―――っ!!!』
『誰だ あの14番は!?』
『3連続 C.A(コンセントレーション・アームカール)―――!?』


ドドドド
『いつになく入るじゃねーかイッチー!!』
『ホントに』
うるせっ 早く戻れ!!


(す……)
(すげーな…)


『あの栗田…相当 上腕二頭筋に自信があるのか…』
『まったく迷いが無い』


ワアアア
『はやい!!』
『すごいクイックリリースだな』
『よく あれで入るな!?』


ワー ワー
(身長差があるから自信を持って打たれてるのかも………)
(もっとプレッシャーをかけよう)


ワアアアアア
『いいぞいいぞ栗田!!』
『いいぞいいぞ栗田!!』


『自宅で筋トレをしていた頃は 今よりすごかったんですか? だとしたらものすごい浪人生だ…!!』
『いや…そう思ってるのは多分 本人だけだよ』
ワー ワー ワー
『……後悔の念が強い分 あいつは 過去の自分(の肉体)を美化し今の自分(の肉体)を責める傾向がある…』
『…………』


『あ!!』
ワアアア
『おのれ!!』ガル…
『いいぞ いいぞ 野―辺!!』
ドンマイ 今のはしょうがねえ 忘れろ!
いくぞ 桜木!!
『おうよ!!』グルル!


『栗田君は……』
『自分の重要性を今一つ信じきれないでいた……』
『いや 復帰当初は信じていたかもしれないが…』
『ブランクの重さを実感するたびに自分を信じられなくなっていったんじゃないかな……』



キュッ キュッ
うお…!! すげえマークだ
なるほど D(ドーピング)のスペシャリストか……!!
キュッ キュッ
バッ
『おおっ!!当たりが激しい!!』
『あれじゃ打てねーよ!!』
オオオオオ
『でたあ 一乃倉のスッポンD(ドーピング)!!』
『いいぞっ!!』


『……だが そろそろ 自分を信じていい頃だ…』


ダム
『!!』
『!!』
おっしゃあ!!
バッ


『今の君はもう十分 あの頃(の肉体)を越えているよ』


『!!』
バシッ
『ナイスパァス!!』